【2026年6月時点】AIツールの使い分けメモ
本記事で紹介する手法は、ChatGPT以外のAIでも実践できます。現時点のおすすめの使い分けは、文章・音声メモ・画像生成=ChatGPT/提案書・アプリ開発・業務自動化=Claude CodeやCodex/文章作成・分析=Gemini・Claude・ChatGPTです。最適なツールはタイミングによって変わるため、導入の際は最新情報をご確認いただくか、お気軽にご相談ください。
毎日の仕込み、接客、調理、片付け、発注、SNS投稿、シフト作成、経理処理。飲食店の店主は、いつも時間に追われています。「美味しいものを作ること」に集中したいのに、実際には閉店後の事務作業や集客のための発信に追われ、気づけば心も体も限界に近づいている。そんなお店も少なくありません。
しかし今は、スマホに向かって話すだけで、AIが文章を作り、アイデアを出し、数字を整理し、業務の仕組み化まで手伝ってくれる時代です。さらに2026年6月現在は、ChatGPTの画像生成機能も実用レベルになり、POPやチラシ、多言語メニューまで自分の手で作れるようになってきました。
この記事では、ITが苦手な飲食店主でも明日から使える「声で始めるAI活用術」を40個紹介します。
【序章】このままでは、お店は「忙しさ」に潰される
飲食店の経営は、料理や接客だけでは成り立ちません。SNSの更新、Googleマップの口コミ返信、仕入れ管理、スタッフ教育、シフト作成、売上分析、経理、求人、メニュー改定。小さなお店ほど、これらを店主ひとりで抱えがちです。
しかも今は、原材料費の高騰、人手不足、最低賃金の上昇、競合店の増加など、飲食店を取り巻く環境は厳しくなっています。「料理には自信がある」「常連さんもいる」「味では負けていない」——それでも、発信が弱ければ新しいお客様には届きません。数字を見ていなければ、気づかないうちに利益が減ります。スタッフとの共有が曖昧なら、現場のミスも増えてしまいます。
そこで役立つのがAIです。AIというと難しく聞こえますが、今はスマホに向かって話すだけでも十分に使えます。文章が苦手でも、パソコンが苦手でも大丈夫です。このように普段の言葉で話しかけるだけで、AIは文章を整え、アイデアを出し、表にまとめ、次の行動を提案してくれます。AIは、飲食店の仕事を奪うものではありません。店主が本来やるべき「味づくり」「接客」「お客様との関係づくり」に集中するための、心強い味方です。
【集客編】SNS・ブログ・メニュー紹介をAIでラクにする
1. 感情が伝わるSNS投稿文を作る
「今日は雨ですが、焼きたてのスコーンがとても良い香りです」——この一言をスマホに話すだけで、AIはInstagramやLINE配信に使える文章へ整えてくれます。店主の言葉を、お客様に届く表現へ変えてくれます。
2. メニュー紹介文を魅力的にする
「このプリンは卵を多めに使っていて、昔ながらの固めの食感です」——この説明も、AIに頼めばメニュー表向けの文章になります。自分では普通だと思っているこだわりも、AIを通すとお客様に伝わる価値になります。
3. キャッチコピーを考える
「30代の女性に、仕事帰りに寄ってほしい」「親子連れに、安心してランチしてほしい」——ターゲットを伝えるだけで、AIはキャッチコピー案を複数出してくれます。看板、チラシ、SNS、店頭POPなどに活用できます。
4. 季節の挨拶やDMを作る
常連様へのLINE配信、周年祭のお知らせ、年末年始の挨拶、臨時休業のお知らせ。こうした文章も、AIに任せると短時間で作れます。「丁寧だけど堅すぎない文章にして」と伝えると、用途に合った文章に整えてくれます。
5. 検索に強いブログ記事を作る
お店のこだわりや人気メニューについて1分話すだけで、AIはブログ記事の下書きを作れます。ブログは、Google検索やGoogleマップからの来店にもつながります。SNSだけでなく、検索される情報をお店側から増やしていくことが大切です。
【現場共有編】「言った・言わない」をなくすAIメモ術
6. 音声スタッフ共有ノートを作る
作業の手を止めずに、スマホに話しかけるだけで文字になり、スタッフ全員へ共有できます。あとから見返しやすく、伝達漏れも減らせます。
7. 日報を自動でまとめる
閉店後に、その日の出来事をスマホに話すだけ。AIはそれを日報として整理し、課題と改善案までまとめてくれます。毎日の小さな気づきが、経営改善の材料になります。
8. 備品発注リストを作る
思いついた瞬間に声でメモし、AIに発注リスト化してもらえば、買い忘れが減ります。忙しい現場では、"あとで書こう"ほど危険なものはありません。
9. お客様の好みを記録する
常連様の好みは、お店の大切な財産です。こうした情報をAIで整理しておけば、次回来店時の接客品質が上がります。個人情報の扱いには注意しながら、常連様との関係づくりに活用できます。
10. クレーム対応マニュアルを作る
トラブルが起きたとき、その場で終わらせず、次に活かすことが重要です。内容をAIに伝えると、原因、再発防止策、スタッフ向けの対応マニュアルに整理できます。感覚ではなく、仕組みでミスを減らせます。
【バックオフィス編】シフト・給与・書類作成の負担を減らす
11. シフト希望を自動で整理する
スタッフからLINEやフォームで集めたシフト希望を、AIに表形式で整理させます。人員が足りない曜日もひと目で確認できるようになります。
12. 曜日ごとの最適な人員配置を考える
過去の売上や来店傾向をAIに伝えると、曜日や時間帯ごとの必要人数を考える材料になります。
13. シフト表のたたき台を作る
スタッフの希望と必要人数をAIに渡せば、シフト表のたたき台を作れます。最終確認は店主が行う必要がありますが、毎月数時間かかっていた作業を大幅に短縮できます。
14. 給与計算のミスを減らす
勤怠データ、時給、交通費、深夜手当などを整理し、AIや給与計算ソフトと組み合わせることで、計算ミスを減らせます。給与はスタッフとの信頼に直結します。
15. 雇用契約書や労働条件通知書の下書きを作る
勤務条件を伝えるだけで、書類のたたき台を作れます。ただし、法律に関わる書類は、最終的に社労士など専門家の確認を受けると安心です。
【キッチン・利益編】原価・写真・マニュアルを見える化する
16. 商品写真をきれいに整える
スマホで撮った料理写真の明るさや色味を整えたり、背景をシンプルにしたりできます。写真の印象が変わるだけで、商品の魅力は大きく伝わりやすくなります。
17. 原価計算をグラム単位で行う
材料と仕入れ価格を入力すれば、AIが1食あたりの原価を計算する補助をしてくれます。「値上げが必要か」「トッピングを変えるべきか」も数字で判断できるようになります。
18. 写真付きマニュアルを作る
調理手順を写真に撮り、声で説明を入れれば、AIが写真付きマニュアルの文章に整えてくれます。教育時間を減らし、品質のブレも抑えられます。
19. 天気と売上予測に活用する
過去の売上、曜日、天気、イベント情報を組み合わせてAIに相談すると、仕入れや仕込み量の判断材料になります。勘だけに頼らない準備ができます。
20. アレルギー表示や多言語メニューの下書きを作る
レシピ情報を整理し、AIにアレルゲンの確認表や多言語メニューの下書きを作らせることもできます。外国人のお客様が増えている地域では、英語・中国語・韓国語などのメニュー表があるだけで安心感につながります。ただし、アレルギー情報は命に関わるため、AIの出力をそのまま使わず、必ず人の目で確認することが大切です(多言語メニューの見た目づくりは【デザイン・多言語メニュー編】でさらに詳しく紹介します)。
【経営戦略・トラブル編】店主の相談相手としてAIを使う
21. 貸しスペースの予約管理を整える
2階席や個室を、ワークショップやイベントに貸し出しているお店もあります。予約案内文、自動返信メール、利用ルール、空き状況の告知文などを作れます。
22. 利用規約や店内ルールを文章化する
言い方を間違えると角が立つルールも、「丁寧だけどきちんと伝わる文章にして」と頼めば、お客様に伝えやすい表現へ整えてくれます。
23. レシート撮影で帳簿付けをラクにする
領収書やレシートを撮影し、日付、金額、取引先、用途を整理する作業にもAIは使えます。確定申告前に慌てる状態から抜け出す第一歩になります。
24. 経営の壁打ち相談をする
客数の変化やスタッフの定着など、悩みをAIに話すと、原因の整理、打ち手の候補、優先順位を一緒に考えてくれます。
25. ライバル店の口コミを分析する
近隣の人気店の口コミをAIに整理させると、選ばれている理由の傾向が見えてきます。自店が勝てるポイントを探す材料になります。
26. アンケートの内容を要約する
お客様アンケートやGoogleフォームの回答をAIに読み込ませると、良い点、改善点、要望を短時間で整理できます。
27. 資金繰りの将来予測をする
売上、固定費、人件費、仕入れ、借入返済などを整理し、AIに相談することで、今後の資金繰りを考えるきっかけになります。
28. Google口コミへの返信文を作る
厳しい口コミへの返信は感情的になりがちです。AIを使うことで、一度冷静な文章に整えてから対応できます。
29. イベント企画のアイデアを出す
ワークショップ、試食会、コラボ企画、限定メニュー、SNSキャンペーンなど、さまざまな案を出してくれます。
30. クレーム対応の台本を作る
状況をAIに説明すると、電話対応、メール返信、店頭での謝罪など、場面に応じた台本を作れます。大切なのは、言い訳ではなく誠実さです。
31. 求人募集の魅力を高める
お店の雰囲気や店主の想いを伝えると、応募したくなる求人文にしてくれます。
32. メニュー改定や値上げの相談をする
原価や売れ筋メニューを伝えれば、値上げの進め方やお客様への告知文を一緒に考えられます。値上げは単なる価格変更ではなく、伝え方が重要です。
33. 掃除・メンテナンスのスケジュールを作る
換気扇、グリストラップ、冷蔵庫、エアコンなど、定期的に行うべき清掃や点検のチェックリストを作れます。
34. 地域コミュニティとの連携案を考える
近隣の花屋、パン屋、美容室、工務店などと組んだイベントやキャンペーンの連携案を提案してくれます。
35. 店主自身の気持ちを整理する
経営者は、弱音を吐ける場所が少ないものです。そんな気持ちをAIに話すだけでも、考えが整理されることがあります。AIは人間の専門家や家族、仲間の代わりではありませんが、深夜にひとりで悩みを抱えるより、言葉にして吐き出すだけで心が軽くなることがあります。
2026年6月追加|デザイン・多言語メニュー編
ChatGPTの画像生成でPOP・チラシ・多言語メニューまで作る
ここまでは、文章を整えたり、数字を整理したりする「言葉のAI活用」を中心に紹介してきました。2026年6月現在は、これに加えてもうひとつ大きな変化が起きています。ChatGPTの画像生成機能が実用レベルになり、店内のPOPやチラシ、SNS用の画像、さらには多言語メニューまで、店主自身の手で作れるようになってきました。
36. 店内POP・チラシ・SNS用画像をその場で作る
「今月の日替わりパスタのPOPを、黒板風のイラストで作って」——このように話しかけるだけで、ChatGPTが画像そのものを生成してくれます。これまで外注していたPOPやチラシ、SNS投稿用の画像を、店主自身でその場で作れるようになってきました。
37. 案内POPや、ちょっとした"漫画風"の説明イラストも
「返却口はこちらです、という案内を、やわらかい漫画風のイラストで」——お客様への案内POPや、コマ割りのような簡単な"漫画風"の説明イラストも作れるようになっています。文字だけの注意書きより、やわらかく伝わりやすくなります。
38. 印刷して使うときのポイント(A4サイズ・画質・Canvaでの仕上げ)
作った画像を店頭で実際に使うには、いくつか気をつけたい点があります。
- A4サイズなど、印刷して使うサイズを指定してから生成すること
- 画質(解像度)を上げる指示を出し、印刷してもぼやけないようにすること
- 生成した画像はCanvaなどで文字入れや微調整をすると、より店舗の雰囲気に合った仕上がりになること
「そのまま印刷して現場で使えるレベル」まで来ているのが、2026年6月時点の大きな変化です。
39. 使い慣れたメニュー表も、デザインから作り直せる
「今のメニュー表を、もう少し高級感のある雰囲気に」——こうした相談も、画像生成で対応できるようになってきました。今あるメニューをよりきれいに整える使い方はもちろん、ゼロからメニュー表のデザインを試すこともできます。
40. 一番大きいのは「多言語メニュー×QRコード」でのインバウンド対応
そして、今回の変化の中でもっとも大きいのが、多言語メニューです。20番で触れた多言語メニューの下書き作成に加えて、今では見た目まで含めて仕上げられるようになりました。「このメニューを英語・中国語・韓国語の4か国語で、見やすいデザインにして」と伝えるだけで、多言語メニューの案が作れます。それをQRコードにして各席に置いておけば、スマホをかざすだけで海外のお客様がご自身の言語でメニューを読めるようになります。
紙のメニューを何か国語分も用意する手間や、印刷し直すコストをかけずに、海外からのお客様への案内を整えられる点は、インバウンド対応に悩む飲食店にとって特に心強い変化ではないでしょうか。多言語メニューの0円実装フローやQRコード設置の具体的な手順は、多言語メニューをChatGPTで0円作成|インバウンド対策で注文率と客単価を上げる方法でも詳しく紹介しています。なお、アレルギー表示など命に関わる情報については、20番でも触れたとおり、AIの出力をそのまま使わず、必ず人の目で最終確認をお願いします。
【終章】まずはスマホに話しかけることから始めよう
AIを使うために、最初から難しいシステムを導入する必要はありません。まずは、スマホでChatGPTやGeminiなどのAIアプリを開き、今日の出来事を話してみてください。それだけで、AIは日報、課題、明日の行動に分けて整理してくれます。最初の一歩は、それだけでいいのです。
AIは、飲食店の店主を置き換えるものではありません。店主の負担を減らし、お客様と向き合う時間を増やすための道具です。事務作業はAIに任せる。発信の下書きはAIに手伝ってもらう。数字の整理はAIと一緒に行う。POPやメニューのデザインも、まずは自分で試してみる。そして、味づくりと接客は人が磨く。
まずは、ひとつの作業をラクにすること。ひとつの悩みを言葉にしてみること。ひとつの投稿文をAIに作ってもらうこと。その小さな一歩が、店主の時間を取り戻し、お店をもっと強くしていきます。
忙しさに潰される前に、まずはスマホを手に取ってください。AIは、あなたのお店を支える"もうひとりのスタッフ"になります。
AI活用の仕組み化は、テラデザインへご相談ください
ここまで紹介したAI活用を、日々の業務やホームページとあわせて仕組み化していきたいと感じられた場合は、専門家と一緒に進める方法もあります。「中小企業のミカタAI」は、飲食店を含む中小企業のAI導入を伴走支援するサービスです。ホームページ自体を見直したい場合は、「お店のミカタ」もあわせてご相談いただけます。
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小宮山 泉
株式会社テラデザイン代表。飲食店・個人事業主のAI活用・Web集客支援多数。
